世界初、家電の省エネ化を実現、冷蔵庫のコンプレッサ 「PPS保持器付きスラスト玉軸受」を開発・量産
- 商品・技術
株式会社ジェイテクトは、冷蔵庫の更なる省エネ化を実現する「PPS※1保持器付きスラスト玉軸受」を開発しました。
従来、冷蔵庫のコンプレッサ※2にはすべり軸受を採用しておりましたが、転がり化を実現することで、低トルク化を実現し、コンプレッサの性能向上に大きく寄与し、冷蔵庫の更なる省エネ化に貢献することができます。
冷蔵庫のコンプレッサに転がり軸受を採用する際に発生する、樹脂のオリゴマ※3の発生という技術課題に対し、保持器材料にPPSを採用することで解決する軸受を、世界で初めて開発・量産に成功しました。
1.製品概要
軸受サイズ φ18.7 x φ34.2 x t5.2
PPSを保持器材料に採用
家庭用冷蔵庫のコンプレッサに搭載
2.詳細説明
冷蔵庫は24時間365日稼動する家電であり、電気代の多くを占めており、冷蔵庫の省エネ性は製品購入の大きなポイント。
冷蔵庫の省エネに貢献するために、従来はすべり軸受を採用していた冷蔵庫のコンプレッサ用にPPS保持器付きスラスト玉軸受を開発しました。
冷蔵庫のコンプレッサには、コンプレッサオイルと冷媒を使用しており、従来のポリアミド系樹脂では、樹脂の環状オリゴマが発生し不具合の原因となっていまい、樹脂を使用した転がり軸受の採用はされていませんでした。今回保持器材料にPPSを採用し、この課題を解決することで、冷蔵庫の更なる省エネ化を実現しました。
3.販売計画
【売上目標】 1億円/年
【販売先】 家電メーカー各社
4.製造工場
宇都宮機器 株式会社 (株式会社ジェイテクト グループ会社)
※1 Polyphenylene Sulfide ポリフェニレンスルファイド。合成樹脂の一種。
※2 冷蔵庫やエアコンに搭載されるヒートポンプ装置において冷媒を圧縮する部品
※3 2分子~数10分子程度で形成される重合体の呼称