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鉄鋼設備用オイルエア潤滑システムの開発 〜鉄鋼設備の安定操業に貢献〜

株式会社ジェイテクト(以下ジェイテクト)は、鉄鋼設備の安定操業や環境保全に寄与する多点給油用オイルエアディストリビュータ(6分配)を開発し、システムとして提供することで設備の簡素化を可能としました。また、現在はそれ以上の分配数を開発中で、さらなる簡素化を目指しております。

ジェイテクトは、今回開発したオイルエア潤滑システムおよび軸受、オイルシール、軸受箱を含めた総合システムサプライヤーとして、お客様の安定操業に貢献します。

180329_1.png<製品写真>

1.開発背景

近年、鉄鋼設備には安定操業、環境保全の要求が高まっており、それに使用されている軸受へのオイルエア潤滑システム採用が増加しています。ジェイテクトは1994年より本潤滑システムの量産を開始しており、現在では連鋳設備、熱間・冷間圧延設備などの各種鉄鋼設備用軸受に多数採用されています(国内シェアNo.1 ※当社調べ)。


鉄鋼設備の中でも連鋳設備など給油点数が1000を超える設備では、配管数や各機器の配置場所が保全効率の悪化要因となっており、その解決策の一つとして、オイルエアを複数の設備に分配するディストリビュータが求められていました。しかし、適正なオイルエアの搬送圧の維持と複数分配の両立が課題となっておりました。


この度、ジェイテクトは、軸受開発の経験に基づき、様々な使用環境に対応できる多点給油用オイルエアディストリビュータ(6分配)を開発し、設備の簡素化を可能としました。また、現在、それ以上の分配数を開発中で、さらなる簡素化を目指しております。

2.開発品の特長

180329_2.pngオイルエア潤滑システムの構成

(1)オイルエア潤滑システムについて

● オイルエアの原理

① 油滴状のオイルを圧縮エアの摩擦で搬送(図1)

② 軸受へ圧縮エア供給により、外部からの異物侵入軽減

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● オイルエア潤滑システムの特徴

① 過酷な環境下で摩耗・損傷を大幅に改善

・軸受箱内の正圧化による高い密封性確保
・高粘度油、極圧油の適用による高い潤滑性能

② 設備保全の改善

・最少油量での潤滑による運転コスト改善
・オイル回収による設備周辺環境改善

③ 容易な適用性

・小径配管の適用による容易な配管設計
・少数給油から多点給油まで幅広いシステム設計


(2)多点給油用オイルエアディストリビュータ

連続鋳造設備など多点給油設備では、オイルエアを6分配することが出来るオイルエアディストリビュータが設備の簡素化(配管数、機器の設置場所)に有効です。現在、ジェイテクトではそれ以上の分配数を開発中。
オイルエアディストリビュータは稼動部を持たず、オイルエア状態での油を多岐に分配できるため、熱や水環境に設置することが出来ます。

(3)適用事例


●連続鋳造設備への適用

① 自動調心ころ軸受特有の摩耗を大幅に低減

② 摩耗、剥離、さびの要因による軸受交換数を削減

③ 軸受寿命が延び、突発事故の発生を削減

④ メンテナンス時の軸受洗浄工数を削減


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●圧延設備への適用

① 小径配管の適用による容易な配管設計

② ランニングコスト削減(オイルミスト潤滑の1/3)

③ 高粘度油、極圧油の適用による高い潤滑性能


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3.販売計画


【販売開始時期】 2018年4月
【販売目標】   2億円/年
【販売先】    日本国内の鉄鋼メーカー、設備メーカー


ジェイテクトは、軸受事業のブランド「Koyo」に新たにタグライン「Key of your operation」を設定し、お客様とともに課題を解決し、嬉しさを提供するパートナーとして鉄鋼メーカーをはじめ、あらゆる産業に貢献してまいります。

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