ステアリング
シェアNo.1製品、
クルマの操舵機能を司る
ステアリング
クルマには走る、曲がる、止まるといった基本的な機能があり、それら基本機能の一つの「曲がる機能」を分担するのがステアリングシステムです。
1988年に当社が世界で始めて開発した電動パワーステアリングは、油圧式に比べ、燃費や搭載性に優れており、現在もシェアNo.1の商品です。
ステアリングの原理
ドライバーがステアリングホイール(ハンドル)を操作、その回転運動を歯車によりタイヤを押し引きする運動に変換し、タイヤの方向を変えます。
その過程で、ドライバーの操作力を軽減できるよう、油圧やモータの力で補助します。
ステアリングシステムの仕組み(作動原理)
例:DP-EPS
ステアリングの基本動作
例:DP-EPS
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1
ステアリングホイールを操舵する。 -
2
トルクセンサにより、トルク信号が検出され、ECUに入力される。 -
3
ECUはトルク信号と車速信号に応じた電流をモータへ付加する。
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4
モータ回転トルクが減速機で増幅され、ピニオンに伝達される。 -
5
パワーアシスト側のピニオン回転トルク(操舵補助トルク)とステアリングホイール側のピニオン回転トルク(操舵回転トルク)が、ラック軸力に変換され、タイヤの向きを変える。
システム別特長
・コラムアシストタイプ
車室内にモータ・ECUがあるため、防水不要で、しかもエンジンやミッションのレイアウトへ影響を受けない
軸力の小さい小型車に
最適なステアリングシステム
・ラックアシストタイプ
ステアリングホイール操舵からラックが動き出すまでの摩擦が小さく、操舵性能の良いステアリングシステム
操舵性能がより要求される中~大型車に
最適なステアリングシステム
最新技術の紹介
車社会のみならずライフスタイルを一変させる近未来
現在の自動車は、コンピュータ処理能力の発達や車載用レーダ・カメラなどの周辺認識センサの精度向上と低コスト化により、車両周辺や運転状況の高精度な検知が可能となり「衝突被害軽滅ブレーキ」に代表されるアクティブセイフティの実用化が進んでいます。
また、EPSの制御自由度を生かした運転支援システムを含めた「自動駐車システム」や「車線逸脱警告/車線維持支援」は、交通事故件数や犠牲者人数の減少への寄与度も大きく、段階的な義務化や、NCAP※のレーティング対象化などが進んでおり、大幅な普及が見込まれています。
「高度運転支援システム(ADAS)」の高度化は、Level 2~3の現状から今後予想される適用道路の拡大と合わせて、運転者に代わってシステムが完全に運転を代替する「自動運転システム」の
実用化の可能性を高め、車社会のみならずライフスタイルを一変させる技術です。
※NCAP(New Car Assessment Program)
新しい自動車を衝突させて、乗員の安全がどの程度守られるかを評価する、公的な自動車衝突テスト
操舵システムの進化
JTEKTの安全性に対するコンセプトを0~4で定義しています。
※高い信頼性が求められる機能については、システムを多重化(冗長化)することで、障害が発生した場合でも、残された機能で安全性を確保すること(冗長設計)
ステアバイワイヤのうれしさ
・ADAS作動中のドライバ-システム間の意思伝達に自由度がある(ハンドル側とタイヤ側を自由に制御可能)
- 1.衝突回避操作が必要な際は、ハンドル操作に関わらず、適切にタイヤ角を制御可能
- 2.車の向きの変化をハンドルの動きに反映し、操作感を演出
・理想の操舵特性を実現
1.車線変更での車両応答性 / トレース性 / 安定性向上
2.低速域での車両取り回し性、高速域での走行安定性向上
3.路面からの必要な情報を伝えながら、外乱を遮断でき、ドライバーの疲労感軽減
・リンクレスSBWでは、レイアウトフリーとなり居住空間拡大に貢献
PRODUCT LINEUP
製品ラインナップ
電動パワーステアリング(EPS)
ドライバーのハンドルの回転を、モータ,コントローラ,トルクセンサ等からなる電動タイプのパワーアシストユニットでサポートし、タイヤを操舵します。
自動車のエンジンを動力源とした油圧タイプに比べ、バッテリーを動力源とした電動タイプは、自動車の燃費を3~5%向上させることができます。
パワーアシストユニットをコラム(車室内)に配置するコラムタイプと、エンジンルームに配置するラックタイプがあります。
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コラムタイプEPS(C-EPS)
車室内にパワーアシストユニットを配置しており、エンジンルームにスペースの少ない小型車に適したステアリングシステムです。
主に軽・小型から中型自動車に搭載されています。もっと詳しく
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ピニオンタイプEPS(P-EPS)
パワーアシストユニットをピニオン軸(エンジンルーム内)に配置したステアリングで、コラムタイプに比べると、静粛性が特長です。
もっと詳しく
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デュアルピニオンタイプEPS
(DP-EPS)アシスト機能をハンドル軸と分離することにより、搭載自由度が上がり、同時に最適強度設計を行い、高出力を実現したステアリングです。
もっと詳しく
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ラックパラレルタイプEPS
(RP-EPS)減速機部の小型化やボールねじ機構の採用により搭載性の良さとさらなる高出力化を両立させ、安全・快適・環境性能に優れたステアリングです。
もっと詳しく
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電動ポンプタイプ
油圧パワーステアリング(H-EPS)マイコン制御によって油圧ポンプを駆動する省エネ型の油圧パワーステアリングです。
アイドルストップモード対応では、非操舵時(直進走行時)の消費エネルギーをHPS比約80%(10-15mode)低減しました。もっと詳しく
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ラックダイレクト(同軸)タイプEPS
(RD-EPS)ラック軸をダイレクトにアシストするので低摩擦・低慣性で、理想的な操舵感を実現します。
※「C-EPS」、「P-EPS」、「DP-EPS」、「RP-EPS」、「H-EPS」、「RD-EPS」は株式会社ジェイテクトの登録商標です。
油圧パワーステアリング(HPS)
ドライバーのハンドルの回転を、油圧式のパワーアシストユニットでサポートし、タイヤを操舵します。
コンパクトでかつ、操舵性に優れ、大きな出力が可能です。
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ラック&ピニオンタイプHPS
油圧による高出力で追従性の高い自然なパワーアシストを提供します。
軽量でしかも滑らかな操舵フィーリングを提供します。軽四車からRV車まで幅広い車種に対応します。もっと詳しく
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電子制御タイプHPS
油圧ステアリングに電子制御を加え、車速に応じた理想的な操舵フィーリングを実現します。
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ボールネジタイプHPS
油圧による、高出力でかつ追従性の高い、自然なパワーアシストを提供します。
トラック・バスにも対応するハイパワーで、しかも滑らかな操舵フィーリングを提供します。
ユニット・コンポーネント
ステアリングシステムを支える、各種コンポーネントのご紹介です。
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油圧ポンプ/油圧ホース
/リザーバータンク油圧ステアリングに必要な油圧を発生させるポンプ、伝達するホース、リザーバタンクなど構成部品を含めた最適なシステムとして提供しています。
アフターマーケット対象製品
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ステアリングコラム
チルト、テレスコピックおよび衝突時のエネルギー吸収などに対応しています。
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インターミディエイトシャフト
ハンドルとステアリングギヤをつなぐ連結軸であり、大きなねじれ剛性が必要とされます。
ジョイント部およびスライド部のすきまが低減され、悪路でも静粛性を確保しています。