軸受を軸又はハウジングに取付けた時、はめあいによる軌道輪の膨張量、収縮量を差し引いた すきま を"残留すきま"という。
この残留すきま に、軸受内各部の温度差による寸法変化量を加減した すきま を"有効すきま"という。
機械に取り付けられた軸受がある荷重で回転している時の内部すきま、すなわち有効すきまに軸受荷重による弾性変形量を加えた すきま を"運転すきま"という。
図 10-2に示すように、この運転すきま がわずかに負であるとき、軸受の疲れ寿命が最も長くなるが、負の すきま量が大きくなると疲れ寿命は著しく低下する。よって一般には、運転すきま が0よりわずかに大きくなるように軸受内部すきま を選定するのが望ましい。
図 10-2 運転すきまと疲れ寿命の関係
また、剛性を高めたり、騒音を小さくする必要がある場合には、運転すきま をより一層マイナス値となるように、また軸受の温度上昇が激しい場合には運転すきま を一層プラス値になるように選定するなど、使用条件に応じて検討する必要がある。