予圧と剛性

アンギュラ玉軸受や円すいころ軸受において、剛性を高める目的で予圧を与える組合せ方としては、背面組合せの軸受が多く用いられている。
これは軸受の作用点間距離が大きくなることから、軸系の剛性が大きくなるためである。
背面組合せ軸受における予圧(定位置予圧法)と剛性すなわち軸方向変位量の関係を図 11-1に示す。
図 11-1において、予圧Pを与える(内輪を軸方向に締付ける)と、軸受 A 及び B がそれぞれ δaoだけ変位して内輪間のすきま 2δaoが0になる。
この軸受に外部からアキシアル荷重 T を加えたときの組合せ軸受としての変位量は δaとして求めることができる。

〔参考〕図 11-1における δaの求め方

  1. 軸受 A の変位曲線を得る。
  2. 軸受 B の変位曲線を得る
    予圧量 Pとの交点x を通る横軸に対称となる曲線。
  3. 外部からの荷重を T として、 x を通る横軸上に直線 x - y を得る。この直線 x - y を軸受 B の変位曲線に沿って平行移動させて、軸受 A の変位曲線との交点 y'を得る。
  4. δaは、直線 x ' - y ' と 直線 x - yとの距離として求めることができる。

また、図 11-1と同じ組合せ軸受を定圧予圧で使用した場合の予圧と剛性の関係を図 11-2に示す。
この場合、ばねの剛性は無視できるため、軸受の単体にあらかじめ予圧量 P を加えておいた単体軸受の剛性にほぼ等しい。

図 11-1 定位置予圧の場合の予圧線図

a_113_001.png

図 11-2 定圧予圧の場合の予圧線図

a_113_002.png
a_113_003.png
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