寸法・振れの測定方法の詳細はJIS B 1515-2で規定されている。寸法公差・回転精度の測定方法の概要を以下に示す。
寸法公差
軸受内径(d)(円筒穴軸受)
一つのラジアル平面において得られた内径(ds)の最大値(dspmax)及び最小値(dspmin)とを求める。
平面内平均内径(dmp)は、その最大値(dspmax)と最小値(dspmin)との算術平均値として求める。
軸受内径(d)(テーパ穴軸受)
軸受外径(D)
平面内平均外径(Dmp)は、一つのラジアル平面内において得られた軸受外径(Ds)の最大値(Dspmax)と最小値(Dspmin)との算術平均値として求める。
ころ内接円径(Fw)
ころ内接円径の寸法差;ΔFw=(dG+δ1m)-Fw
ころ内接円径の最小直径の寸法差;ΔFwmin=(dG+δ1min)-Fw
(dG)マスタゲージの外径寸法
(δ1m)外輪の動き量の算術平均値
(δ1min)外輪の動き量の最小値
ころ外接円径(Ew)
ころ外接円径の寸法差;ΔEw=(DG+δ2m)-Ew
(DG)マスタゲージの内径寸法
(δ2m)マスタゲージの動き量の算術平均値
内輪幅(B)
実測内輪幅の寸法差;ΔBs=Bs-B
内輪幅不同;VBs=Bsmax-Bsmin
外輪幅(C)
実測内輪幅の寸法差;ΔCs=Cs-Cs
内輪幅不同;VCs=Csmax-Csmin
円すいころ軸受の組立幅(T)
実組立幅の寸法差;ΔTs=Ts-T
円すいころ軸受の呼び有効幅(T1,T2)
内輪サブユニットの実有効幅の寸法差;ΔT1s=T1s-T1
外輪の実有効幅の寸法差;ΔT2s=T2s-T2
平面座スラスト玉軸受の呼び高さ(T,T1)
実軸受高さの寸法差;
ΔTs=Ts-T(単式軸受)
ΔT1s=T1s-T1(複式軸受)
回転精度
内輪のラジアル振れ(Kia)
内輪のラジアル振れ(Kia)は、内輪を1回転させたときの測定器の読みの最大値と最小値との差として求める。
〔注〕
円筒ころ軸受、ソリッド形針状ころ軸受、自動調心玉軸受及び自動調心ころ軸受のラジアル振れの測定は、外輪を支持金で固定して行う。
外輪のラジアル振れ(Kea)
外輪のラジアル振れ(Kea)は、外輪を1回転させたときの測定器の読みの最大値と最小値との差として求める。
〔注〕
円筒ころ軸受、ソリッド形針状ころ軸受、自動調心玉軸受及び自動調心ころ軸受のラジアル振れの測定は内輪を支持金で固定して行う。
内輪のアキシアル振れ(Sia)
内輪のアキシアル振れ(Sia)は、内輪を1回転させたときの測定器の読みの最大値と最小値との差として求める。
外輪のアキシアル振れ(Sea)
外輪のアキシアル振れ(Sea)は、外輪を1回転させたときの測定器の読みの最大値と最小値との差として求める。
内径の軸線に対する内輪側面の直角度(Sd)
内輪側面の直角度(Sd)は、内輪をテーパアーバと共に1回転させたときの測定器の読みの最大値と最小値との差として求める。
側面に対する外輪外径面の直角度(SD)
外輪外径面の直角度(SD)は、外輪を当て金に沿って1回転させたときの測定器の読みの最大値と最小値との差として求める。
平面座スラスト玉軸受の軸軌道盤又は中央軌道盤の軌道の厚さ不同(Si)
軸軌道盤の軌道の厚さ不同(Si)は、軸軌道盤を当て金に沿って1回転させたときの測定器の読みの最大値と最小値との差として求める。中央軌道盤についても、同様な測定を二つの軌道溝に対して行い、軌道の厚さ不同(Si)を求める。
平面座スラスト玉軸受のハウジング軌道盤の軌道の厚さ不同(Se)
ハウジング軌道盤の軌道の厚さ不同(Se)は、ハウジング軌道盤を当て金に沿って1回転させたときの測定器の読みの最大値と最小値との差として求める。