軸受を軸に取付けるときには、軸方向の固定方法を考慮する必要がある。円筒穴軸受の場合の軸の設計例を表 『表 14-4 円筒穴軸受の固定』に、テーパ穴軸受の場合を『表 14-5 テーパ穴軸受の固定』に示す。
表 14-4 円筒穴軸受の固定
(a)軸用ナット
ナットのゆるみ止めには座金を用いるが、円すいころ軸受やアンギュラ玉軸受をゆるい はめあい で取付ける場合は、右図のような厚さ数mmの座金を入れて締付けるとよい。
(b)エンドプレート
軸端にボルト穴を設けておく。
(c)止め輪
装置内の空間に制限がある場合や、軸の機械加工を簡素化する場合に用いられる。
表 14-5 テーパ穴軸受の固定
(d)アダプタ
アダプタスリーブを軸に取付けて、ナットを締付けるだけでよく、軸方向の位置決めが最も簡単。
ナットのゆるみ止めには、座金(軸径180mm以下)や止め金(軸径200mm以上)を用いる。
(e)取外しスリーブ
ナット(上図)又はエンドプレート(下図)を用いて、取外しスリーブを押込んで軸受を固定する。
軸受の取外しが容易である。
(f)軸用ナット
(a)図と同様に軸に直接ねじ加工したものでナットで締付けて固定する。
(g)2つ割りリング
テーパ軸に溝を設け、その中に外径ねじ付きの2つ割りリングをはめ込み、ナットで締付けて固定する。
ナットのゆるみ止めや、2つ割りリングの滑り止めには、キーを用いることが多い。